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白浜には二匹の小亀がいた。小さな体を休めず、水面の月明かりに向かって進んでいる。

「みえる?」

「そこにある?」

「あそこからきこえる?」

「ううん」

一匹の亀は首を横に振った。

「西へ行くの? 東へ行くの?」

「それとも、上に行くの?」

小亀たちは笑う。

「面白いね」

「楽しいね」

二匹は波打ち際にたどり着き、海の中へと潜り込んでいった。

波が押し寄せる。その反対に沿って泳ぐ。

「下にも行けるよ」

「回れるよ」

「不思議だね」

「本当だね」

二匹の一生は、始まったばかりだ。
その他
公開:26/10/19 22:34

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