荷物園の支度員

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荷物園の支度員になって4年目、新しい荷物の担当を任された。
期待を胸に、書類とパソコンを抱えて檻に入る。巨大なアタッシュケースが私に向かって蓋を開けた。
ビジネスシーンの人気者、カバんだ。つややかな革の胴体に、様々なポケットが整然と並んでいる。緊張しつつも支度を始めたとたん、詰めかけた書類を持ち手で叩かれた。
入れる順番を間違えたらしい。さすがプロの仕事鞄、前準備も妥協しないようだ。
いきなりの駄目出しはショックだったが、私もプロの支度員だ。がま口、サイふ、トラんく、これまでの3年間で培った収納術を駆使し、どうにか出勤支度を整えた。

詰め過ぎたり、逆に足らなかったり、忘れ物をしたり。失敗も重ねながら、日々カバんと向き合い、支度力を磨く。やがてどんな仕事支度もできるようになった頃、私は次なる荷物を任された。

期待を胸に、寝支度を整えて布団に入る。
今度の担当は夢世界の荷物、バックなのだ。
ファンタジー
公開:26/10/26 21:14
ラジオ『月の音色』 月の文学館 テーマ:新しい鞄

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.14執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞

いつも本当にありがとうございます!

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