お題『マナーの悪い枯れ葉』
0
1
私には仕事終わりに立ち寄る公園がある。立派なカツラの木があって、見上げただけでも疲れが取れた。根元のベンチが私の指定席なのだけど……秋になるとマナーの悪いヤツが現れる。
「寝転がるのやめてもらえます?」
私が声をかけると、ベンチに寝転がっていたソノヒトは、面倒臭そうに隣を空けた。ベンチに座ってカツラの木を見上げると、黄葉を迎えた葉はまだ6割方残っていた。
ソノヒトの正体は落葉した4割の枯れ葉が集まって人の型を成したもの。秋限定で現れる彼女を、私は桂さんと呼んだ。
桂さんと知り合って、私は樹木の1年と人の1日は似ていると思うようになった。桂さんにとっての秋は仕事を終えて夕方を迎えた今の私と同じ。疲れ果てれば、あんな格好になるのも分からなくはない。
私がせがむと、桂さんは面倒臭そうに膝枕をしてくれた。
「……桂さん、お互い明日(ライネン)も頑張ろうね」
桂さんの膝からは、甘くていい香りがした。
「寝転がるのやめてもらえます?」
私が声をかけると、ベンチに寝転がっていたソノヒトは、面倒臭そうに隣を空けた。ベンチに座ってカツラの木を見上げると、黄葉を迎えた葉はまだ6割方残っていた。
ソノヒトの正体は落葉した4割の枯れ葉が集まって人の型を成したもの。秋限定で現れる彼女を、私は桂さんと呼んだ。
桂さんと知り合って、私は樹木の1年と人の1日は似ていると思うようになった。桂さんにとっての秋は仕事を終えて夕方を迎えた今の私と同じ。疲れ果てれば、あんな格好になるのも分からなくはない。
私がせがむと、桂さんは面倒臭そうに膝枕をしてくれた。
「……桂さん、お互い明日(ライネン)も頑張ろうね」
桂さんの膝からは、甘くていい香りがした。
その他
公開:26/10/26 14:45
ショートショートの勉強をさせていただきます。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます