黒羽景親の後世道中

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「これが…我が黒鷺城なのか」景親は絶句する。紋付袴は脱ぎ僧に渡された、しゃつとずぼんなる珍妙な衣を纏う。
「円照、お前はいいのか」「坊主は後世も袈裟なんですよ」と僧は笑った。
「寺に伝わる奇術は真だったでしょう。後世の黒鷺城をご覧あれ。帽子を取らないで殿。マゲが目立つ」
「おい平民が城内を彷徨いておるぞ」「いいんですよ観光地なんで」
「おい兵返しの石階段が無いぞ」「高齢者にキツイんでスロープになりました」
「おい天守閣の脇に変な箱があるぞ」「バリアフリーってやつです」
景親はとある看板の前で固まる。「こ、これは…」
『初代城主の黒羽景親は築城の僅か1年後、謎の失踪をとげる。一説には後に城主となる僧形の武将、白河円照の仕業が有力とされる』
「どういうことだ円照!」
振り返った景親の前に円照の姿はなかった。

小旗を振った女が大勢の老人を率いている。
「今年で築城400年になるこの白鷺城は…」
ホラー
公開:26/10/16 14:15

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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