天国直行列車

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「⋯⋯ふぅ! 間に合った! 」

アタッシュケースを抱え直し、予約した席に向かう。

「えぇと、H-51、H-51」

あった! と思ったが、知らない男が座っていた。
私はスマートフォンのチケット画面を見せながら男に詰め寄った。

「そこの席、私が予約したところですよ。どこか別のところとお間違えじゃないですか?」

若いのか年寄りなのか判別できないその男は、うっすら笑いながら答えた。

「いいや、ここは俺の席だ。あなたこそお間違えでは?」

彼が差し出した切符には、確かに『H-51』と書かれている。
しかしよく見ると、奇妙な車両名が印字されていた。

『天国直行列車』

出発を知らせるアナウンスが流れるなか、私はあわてて電車の降車口まで走った。
ファンタジー
公開:26/10/15 12:59

いちいおと

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintやAIで作成しています。

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