お題『世界を支配するアメニティ』

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洗面所の鏡に映っているのは、出版社に持ち込んだ傑作漫画を『この内容では少年誌には載せられない』と切り捨てられた俺の顔。
予約無しでも泊まれた古いビジネスホテルには、ろくにアメニティも揃っていない。剃刀はあっても泡がない。
「……使えねぇ」
握った剃刀に言ったのか、ムカつく編集に言ったのか、俺がそう呟いた時だった。
「おお!伝承は誠であったか!」
便所の扉を開けて飛び込んで来たのは、謎の小人だった。
「“異界への扉の開かれし時、小形の刃を手にした大男現れん。その者、邪竜の髭を切り落とし世界を救う勇者とならん”……異界の勇者殿、どうか我らの世界を救って下され!」
「……勇者」
そうだ。俺がガキの頃から憧れていたのは漫画家になる事じゃない。魔王を倒し、世界を救うに勇者になって――

「いいぜ。俺が世界を変えてやる」

その後の世界を支配する事だ。
そこに俺の思想を止める編集(ヤツ)は居ない。
ファンタジー
公開:26/10/19 12:24

路人( 山形 )

ショートショートの勉強をさせていただきます。

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