段ボールの策略

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午前7時45分。トラックが拠点を出発すると同時に、荷台に積まれている段ボールが電話をし始める。段ボールが自発的に伝票を読み取り、配達先に電話をして在宅確認をするのだ。在宅確認が取れると、配送ルートの地図上に青いマークをつける。ドライバーは事前に予定したルートと青いマークを参考に、配達をしていく。
電話をかけ始めるとたちまち荷台はコールセンターのように賑やかになる。電話を受けた配達先から詐欺電話ではないかと疑われるほどに。段ボール同士にも相性がある。上下左右の段ボールと言い合いをし、ヒートアップして荷台で暴れだすこともある。「おい、君の中には大切な荷物が入っているんだから、暴れてくれるなよ」ドライバーがスピーカーを通して荷台に話しかけるが、なかなか収まらない。仕方なくルートを変更し真っ先に配達する。気苦労が絶えないが、実はこれ、配達先からすぐに届けてほしいと言われた段ボールの策なのであった。
公開:26/10/08 17:49

いづみ

文章を書くのが大好きです。

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