屁理屈王・竹内と、喋る自販機

0
1

「自販機なんて時代遅れの遺物です。客の細かなニーズに応えられない」

日頃から自販機不要論をとなえる屁理屈王の竹内は、喉のかわきに耐えかね、最新のAI搭載自販機の前に立っていた。

「お茶はいかがですか?」

自販機の電子音声に、竹内はニヤリと笑う。

「常温の水が欲しい。無理だろう?」

「ございますよ」

竹内の意図はあっさり汲まれた。竹内は舌打ちしながら百円玉を投じた。

しかし自販機はガタガタと音を立て、硬貨をはき出した。

「ほら見ろ、欠陥品だ」

「お客様、その百円玉はエラーコインで、数千円の価値があります」

竹内は不敵に笑った。

「私に教えたせいで利益を逃したな。お前の負けだ!」

自販機は答えず、竹内が硬貨を拾おうとした瞬間、返却口に鍵がかかった。

「言い忘れましたが、ただ今の情報は有料サービスです。情報料として、その百円玉を回収いたしました」

竹内は言葉を失った。
SF
公開:26/09/23 19:22

yabori

シュールな内容が好きです。noteでは5分以内に読める、ショートショートを書いています。 https://note.com/yab0ri
Xはこちら⏩️ https://x.com/boriboriyabori

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容