世界で一番キミがスシ

2
6

「認めんぞ、結婚なんて!」

一人娘の奈美に男がいることは察していた。

「そこをなんとか、師匠……いや、お義父さん!」

だが、それが弟子の銀次とは考えもしなかった。

「お前にそう呼ばれる筋合いはない!」
「だったら……僕の寿司を食べてください!」

……は?

「父さん、お願い!」

訳の分からぬまま奈美に手を取られ、つけ場へと移動する。

「師匠の教えを胸に、僕が精一杯握ったまぐろです!」

勢いに押され、手渡された握りを口にした。

「……まだまだだな」
「そんな……」
「ただ、筋はある。精進すればいずれは……この店を継げるかもな」
「え?」
「寿司も色恋も、新鮮なうちが花よ」
「あ……ありがとうございます!」

「……ふふ、思った通り。この人、寿司馬鹿なんだから」

突然、妻の渚が奥から顔を出す。

「母さんの作戦、大成功よ!」

……なんだこいつら、裏でも握ってやがったのか。
その他
公開:26/09/25 20:55
#若いお寿司

makihide00( 鳥取→東京→福岡 )

30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。

長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。

Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00

株式会社ベルモニー Presents ショートショートコンテスト 入選 「とんでかえる」

隕石家族×ショートショートガーデンコラボ 小惑星賞 「詠み人家族」

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容