子連れ寿司

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最近、回転寿司のレーンは子連れ様が多い。
否、人間の話ではない。
寿司の方だ。

皿に盛られた二貫の握りの横に、ミニチュアのような小さな寿司がぺったりと寄り添っている。

「おっ、あのマグロ、子連れ寿司だ!」

同じ値段で多く食べられる子連れ寿司は大人気だ。だがそこは子供のこと、当然想定外の事態が発生する。

「やだやだ、まだレーン回るんだ!」

客が手を伸ばすと、皿がガタガタ鳴るほどのギャン泣きだ。おかげでマグロ夫婦は延々とレーンを回り続けるハメになった。

「ああ、もうネタもシャリもカピカピ。私、もうお寿司として見てもらえない」

「仕方ない、エサで釣ろう――息子よ、レーンを降りたらガリガリ君があるぞ」

「ガリガリ君!? ほんと!?」

子供寿司は喜んで自らレーンを飛び降りた。それが大好きなアイスとは似ても似つかない代物であることを、まだ幼い子供寿司は知る由もなかった。
ファンタジー
公開:26/09/25 11:38
若いお寿司 祭り

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました。
現在はnote・TALES・エブリスタなどで活動中。
2026年4月7日に『栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂』(朝日文庫)で商業デビュー。

【刊行】
・栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂(朝日文庫)
・第31回やまなし文学賞受賞作品集(山梨日日新聞社)

【活動歴】
・第2回 日本おいしい小説大賞 最終候補(小学館)
・第31回やまなし文学賞 佳作『雨を知るもの』→書籍化
・創作大賞2025 入選 『栗と牡丹』→書籍化
・SSアンソロジー『ベリショーズ』寄稿
・ホラーアンソロジー『ウタ・カタ』寄稿

【note】
 https://note.com/akishiba_note

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