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「お金がないならお寿司にすればいいじゃない」とバルコニーならぬ一本釣り漁船の甲板に、金髪巻き毛ならぬねじり鉢巻き一本締めで、ロングドレスならぬ胴長靴に身を包み、スパンコールならぬ波しぶきと魚粘液をぬめらかせて、シルク生地のパラソルならぬハネ竿を、眼下におしよせる下層民どもならぬ荒海にとどろめく青黒い魚群にむけ、ほほえむやらうなづくやらして愚民を釣るならぬ、特殊な疑似餌でおりゃーどりゃーと頭上へ跳ね上げているマリーアントワネットならぬ@一本釣りはロマン姫、本日最初の、おでましならぬ水揚げだ。
―あれは誰です? 死んだ鰹に乳をふふませる聖母のように、海を滴らせながらやってくる、あのディーバは?
―お若いの。歌が聴こえたかね?
―歌? 歌が? いえぼくはただ……
「新鮮か新鮮じゃないか? 違うね。美しいかとても美しいか。 新入りかい? 青いね。抱け。捌け。握れ。握れ」
そして、若い寿司。
―あれは誰です? 死んだ鰹に乳をふふませる聖母のように、海を滴らせながらやってくる、あのディーバは?
―お若いの。歌が聴こえたかね?
―歌? 歌が? いえぼくはただ……
「新鮮か新鮮じゃないか? 違うね。美しいかとても美しいか。 新入りかい? 青いね。抱け。捌け。握れ。握れ」
そして、若い寿司。
公開:26/09/24 22:13
更新:26/09/24 23:06
更新:26/09/24 23:06
若いお寿司
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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