不老寿司

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「もう何周目だろう」

ここは、回転寿司のお店。
同期のマグロやサーモンは、人間のもとに行ってしまった。残されたのは、アジの私だけ。

レーンの上には、新人の寿司たちが次々と乗せられた。こちらを指差して笑う。
「まだいるよ、あの子」
売れ残りだなんて失礼な。絶対に負けたくない。

まずは身だしなみからと、鏡を覗き込んだ。
「まだまだ、私だってイケてる」
これだけレーンを回っても、シャリひとつ乾かない。ネタもずっとピカピカだ。

やっと見つけてくれた人がいた。
孫を連れたおじいちゃん。カウンターに座ると、私のお皿に手を伸ばした。

パクリ。
口の中で、キラリとネタが青く光る。

孫たちが、目を見開いた。
「じいじの顔のシワが消えてる!」

やれやれ。
ずっと、待っていた甲斐があった。
やっと、役目を果たした。

私の名前は「不老寿司」。
公開:26/09/24 21:03
更新:26/09/24 21:04
若いお寿司

ろっさ( 大阪府 )

コピー、54字の物語、ショートショートなどを書いています。
ことば遊びが好きです。

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https://note.com/leyenda_rosa


 

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