人生のしおり

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男は街外れの古びた本屋で、不思議な「しおり」を見つけた。

そのしおりには、白い紙に押し花のように一枚の小さな写真が貼り付けてあった。
写真には、穏やかな顔の老人が写っていた。

「これは、なんですか?」

男はしおりの見本を指差しながら、店主に尋ねた。

「それは、人生のしおりですよ。その人の人生の節目が貼り付けてあるんです」

店主は本のページをめくりながら答えた。
男は、まだ何も写っていないしおりを買った。

男はしおりを本に挟んで持ち歩いた。
大学に合格した日、一枚の写真が貼り付いた。
それから、卒業、就職、結婚、子供の誕生、人生の節目を迎えるたび、写真は変化していった。

ある日、男が病院のベッドで本を開いていると、子供たちと孫たちが見舞いに来た。
子供たちと孫たちの笑い声を聞きながら、男はふと、しおりを見た。

そこには、あの日見た、穏やかな顔の老人が写っていた。
ファンタジー
公開:26/09/19 20:37
更新:26/09/19 23:19

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

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