名画でショート126『坐る娘と兎』(ピエール・ポナール)

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少女は椅子に座ったまま、溶かされようとしていた。
濃硫酸と濃塩酸の混合物。これに重クロム酸ナトリウムを加える。
肉体が溶けるまで、おおよそ6時間。骨が残った場合は、砕いて捨てればいい。
殺人で一番困るのは、死体の隠蔽だ。
彼女は私に訴えた。
「絶対に見つからないように、殺してください」
彼女が死にたい理由は分からない。何かの絶望かもしれないし、誰かに対する当てつけ、さらには恨みかもしれない。
だが、私にとっては関係のないことだ。仕事として彼女を殺し、遺体を完璧に処分する。
足元に、彼女がかわいがっていたウサギがやってきた。ウサギを処分することまでは請け負っていない。
私はウサギを抱えると、車を走らせ、野原に放った。
幸運なら、ウサギは生き残ることができるだろう。この世から髪の毛ひとつ残さずに消滅した彼女の人生の、何分のいち程度は。
公開:26/09/19 08:06

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