大雨女

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コンビニを出ると、空が分厚い雲で覆われていた。傘を買いに戻ろうか。いや、一人暮らしなのに既にもう七本のビニール傘を持て余している。急いで帰ろう。

雨が降り始めた。
飼い猫が死んだ頃から、私の雨女に拍車がかかっていた。
猫。妹が欲しがってすぐ家にやってきた猫。家族の誰にも懐くことのなかった猫。私が実家を出る時に一緒に連れてきた猫。

雨足が強くなった。息がうまく吸えない。
どうして私ばかり、どうして。雨か涙かわからない生ぬるい液体が頬を伝う。直後、ざりざりとした感触があった。猫の舌のような。
肘から指先に雨が流れる。ふわっとした感触があった。猫の尾のような。
立ち止まったびしょ濡れの足元に、擦り寄ってくるような…。
もしかして。
「ずっと、会いに来てくれてたの?」
「ニァ」
短い鳴き声を背後に感じた。振り返ると空には虹がかかっていた。
翳した手のひらの上に、一際大きい雨粒がポタンと落ちた。
その他
公開:26/09/18 23:27

ぱせりん( さっぽろ )

北海道出身です。

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