従者の家系

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4歳になるまで僕は自分が何者だか知らなかった。4歳になり幼稚園に通うようになると、自分が周りの子供たちと違うことに気が付いた。みんな僕に話しかけてくれる。いっぱい。だけどそれは他の子に話しかける内容とは違った。僕のことを「S」と呼んだり「A」と呼んだりする。そのあとには必ず、質問や依頼が続く。「S、運動会の日の天気は?」「A、兜の折り方を教えて」こどもだけではない。先生も「A、お昼寝の時間が終わったら教えて」「S、『迷子の子猫』を流して」と言ってくる。ときには僕の顎を長押ししたあと、「タイマー25分」なんて言われる。

「我が家は代々従者の家系だからな」お父さんが言い、隣でお母さんが頷く。「いつか信頼できる主に出会い、その人のために尽くすのが私たちの務めなのよ」
「でも、お父さんとお母さんには主がいないよ」言い返すと
しばらくして「よく聞き取れませんでした。やり直してください」と言われた。
その他
公開:26/09/03 19:49

いづみ

文章を書くのが大好きです。

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