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あいっ!とれた!

おじいさんは私の鼻に長い綿棒を刺した。
その瞬間私の脳内は揺れ、足元には水が上り強風が吹き荒れた。
そう、今まさに世紀末。
ビルはガタガタと崩れ落ち、赤い月が濃紺の夜空に浮かぶ。
おじいさんは隙間の空いた歯でニタニタと笑い、
私の脳はまだ揺れている。

水はどんどん上がり、溜まった水は壁を壊し外へ流れ出た。
天井もボロボロと落ちている。
このビルももうおしまいだ。

私もこのままビルの外へと押し出されるのだろう。
それか、瓦礫の下敷きか。
短い生涯だ、せめてアレンに愛してると言いたかった。
私は瞳に涙を浮かべこの先の運命を受け入れた。

そう、完膚なきまでに敗北したのだ。

おじいさんは、私の鼻に突き刺した綿棒をゆっくりと引き抜き、まるでつまらぬ物を斬った様な口調で言った。

はい、待合室で待っててねー

おばあちゃんに連れられ待合室へ移動した。
恋愛
公開:26/08/29 00:13

うらのすけ( 神奈川 )

日頃の心に留めたことや感じたことを短い文章で書き留めています。
読んでいただけたら嬉しいです。

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