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渡り鳥の羽にしがみついていた種は、生まれ故郷から遠く離れた場所で落ち着くことにした。
まずは土に声をかけた。
「こんにちは! ここが気に入ったよ!」
土はしばらく黙っていたが、やがてのっそりと起き上がるように応じた。
「そうかい。そりゃあ良かった」
そこでお願いなんだけど、と種が言うと、土は「あぁ、みなまで言わずとも知っとる。わしの養分が欲しいのだろ。枯れたじじいので良ければ使えばいいさ」と投げやりに笑った。
種は素直に「ありがとう!」と答えた。
それからというもの、種は毎日、土の爺さんに旅の話を聞かせた。色んな国の鳥、果物、動物、人間の暮らし。すべてが土の爺さんにとっては新鮮で面白おかしいものだった。
やがて種は芽吹き、大きな木になると、たくさんの実を成らせた。
ほとんど鳥に食べられてしまったが、いくつかは、わざと下に落とした。
栄養を蓄えた土は若返り、ふたりはともに長く生きた。
その他
公開:26/08/22 11:58

いちいおと

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintやAIで作成しています。

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