カフェ【month】

0
1

ニャーと黒猫が喉を鳴らす。

チュールをチミチミと出すと、ペロペロとザラついた舌を伸ばした。

光の当たらない路地裏には湿った空気が漂っている。

昨日大雨が降ったせいだ。

お陰で辿り着くまでに時間がかかってしまった。

「じゃあまたね」

手を振って裏口から入る。

「あっオーナー、またこっち手伝ってるんですか」

栗毛色の店長、今日子がヤレヤレと息を吐いた。

今日子はカフェ【month】のオープニングスタッフとして日々サポートしてくれている。

「別に手伝うぐらいいいでしょ。それ、新メニュー?」

「はい。最近学生が多くなってきたので腹持ちのいいものをと」

カツサンドにドリア、豆や鶏肉が入ったサラダボウルなどなど。

「流石店長」

「また咲也さん連れてきてください。あの人美味しそうに食べて感想くれるので」

「分かったよ、ちゃんと伝えておくね」

扉がカランと軽い音を鳴らした。
その他
公開:26/08/16 20:23

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容