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麗和八年八月八日。
花子は耐えていた。

末広がりが三つ並んだ縁起が良い日ということで、各神社で特別な御朱印が配られるというのだ。

外の気温は38度。
花子はじっと暑さに耐えていた。

列の長さ約3キロ。
進み具合は絶望的だ。
先頭は3時間待ちだと噂が立った。
ほかの人達も例外なく、この長蛇の列に耐えている。
所々で励まし合う姿も見える。
同じ目的を持つ者同士の友情は強く美しいものだ。
花子も時折、前後の人との会話を楽しんでいた。

2時間並んだ所で、スタッフが何やら紙を配りだした。
「こちらをお持ちの方は、本日はお帰りいただけます。御朱印は年内にお受け取りください」

静まりかえる。

花子はじっと耐えていた。

乱れることのない列。

花子はヘビに飲み込まれた。
その他
公開:26/08/23 09:00
更新:26/08/21 04:54

うらのすけ( 神奈川 )

日頃の心に留めたことや感じたことを短い文章で書き留めています。
読んでいただけたら嬉しいです。

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