のろわれた家

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盗賊仲間の間では、あの赤い屋根の一軒家に近づいた者は二度と戻らないとうわさされていた。どんな隙間も抜けるゴロベエも、臆病で欲張りなチャビも、魅惑のにおいに引き寄せられたまま消えてしまったのだ。

家からは脂の焼けるような香ばしいにおいが漂い、鼻の奥まで染み込んで理性を狂わせる。伝説の香木か罠か。危険だと頭では理解していても、意志とは裏腹に体が勝手に前へ進んでしまう。

壁の隙間や排水溝など、どんな場所からでも忍び込めるのが俺たちの強みだ。今夜は用心を重ね、台所の窓の隙間から侵入した。薄暗い室内の床中央、小さな袋から香ばしいにおいが漏れている。

本能が激しく警告を発するが、においは強まる一方だった。一歩、また一歩。吸い寄せられるように踏み込んだ瞬間、足がぴたりと張り付き動かなくなった。

焦って床を見下ろすと、そこにあったのは一面に敷き詰められた粘着シートだった。
ファンタジー
公開:26/08/17 21:10

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