覆水盆に返らず

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盆休みに入り、関東方面で働いている長男と、関西方面で学生をしている次男が、入れ替わりで帰省してくれた。

2人とも忙しい中、休みをやりくりしての弾丸帰省だった。

せめて数日ゆっくりと実家に泊まって欲しかったが、帰省した翌日には、2人とも慌ただしく戻って行った。

慌ただしさの中で子どもたちの成長を感じる余裕はなかったが、子どもたちと並んだ妻を見て、彼女の老いを見せられた気がした。

それはすなわち、私自身の老いを自覚することでもあった。
歳を重ねる毎に、体から抜け出していく「若さ」という名の瑞々しさ。
もう、元には戻らない。

無性に喉が渇いた。
私はコップに水を注ぎ、一気に飲み干した。

それでも渇きが癒えないので、冷蔵庫の缶ビールに手を伸ばす。

妻が盆にグラスを置いてくれた。
その笑顔は20年前と変わらなかった。
その他
公開:26/08/13 21:33

すけ3

日常がふっと壊れる瞬間の話を書いています。ご感想お待ちしています。
普段は山を走ったり、保護犬2匹と散歩したり、仲間とワイワイしています。

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