環天頂アークのソファーはクーロン定数

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野菜がアセチレンと路地裏でフードファイトをしているとき、剃刀はかつての栄光のなかの栄光を思い出していた。落ち窪んだ目をしたシーフードカレーが剃刀にトリプトファンを差し出して言った。「天馬は南からやってくる。そして、太陽もまた南から昇る」。剃刀は晴れやかな表情でクーロン定数となった。地面から蘇ったビーバーは水星で近衛騎士として働いている。ロス市警時代とは異なり、宮殿もアルヒーフも時計塔も話しかけてこない。ビーバーの親友は酪農場で働く蟹だ。蟹は水星で最も優れた賢者であり、魔術師であり、降霊術師だ。蟹がヒヤシンスに触れると那由他の木星が金星より孵化すると言われている。金星とは木星が間借りしている大邸宅の主人であり、王都で大泥棒として名を馳せている。玄関も葉巻も電光石火もかの銀河を統べる王には跪くしかない。3000度の火を噴く王は昨夜、環天頂アークに跨って銀河系を旅立った。
ミステリー・推理
公開:26/04/23 05:55

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