人生信号機

0
2

ある日、『人生信号機』という商品が発売された。

それは手のひらに収まる大きさで、ボタンを押すと青・黄・赤のどれかに光るだけの単純な作りだった。
説明書には「迷った時に使え」と書いてあった。

最初は皆、冗談だと思った。
だが、試しに使った者は皆、成功した。
決断する際に、青で進み、赤で避け、黄で保留。
そのどれもが正解だった。

やがて人々はそれに従うようになった。
見舞いの前で赤を見て帰る者もいれば、自分の子供が転んでも、青が出るまで手を伸ばさない者もいた。

誰もが自分で決断をしなくなった。
中には信号無視をする者もいたが、彼らは危険人物として社会から排除された。

ある日、すべての信号機が黄色のまま点滅を始めた。

『注意して進め』

すると、子供たちが走り出した。
子供たちは転び、立ち上がり、また走る。
大人たちはそれを見て、どうしていいのか分からず、ただ立ち尽くすだけだった。
その他
公開:26/04/24 15:00

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

note

https://note.com/a_kagami

X(Twitter)

https://x.com/kagami_short2?s=21

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容