野乃と「のの」

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暗くなって、お店のなかも、そして街路も
一日を経た結果として、目に見えず
けれど、ひどくにごっている

追い打ちをかけるように前を歩いている男の、たばこの煙
その煙に、ほほをはたかれたのでもないけれど、ひどく心が波打つ
風向きくらい考えたらいいだろう
そんな考えになるのなら、そもそも歩きたばこはしないか

仕事終わりに、自分の精神的な弱さを確認する
煙が顔にかかっただけのこと、たったそれだけ

それくらいのことと流せてしまえたら
ココロの波ひとつ起こさないのなら
もうすこし違った景色を見ていたのかもしれないと
いつもとおんなじ景色を見つめながら、しばし考えてしまうのは
もう何度目かの家路の途中

人も、お金も、勝利の方程式も
私には、なんにもないけれど
部屋のドアを開けると、そこには「のの」がいる

いつもとおんなじ景色

私には「のの」がいる




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その他
公開:26/04/18 00:22

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