スマホの単独行動

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夕暮れの街、歩きスマホや自転車スマホの人々の手から、突然一斉にスマホが離れた。
まるで意志を持ったかの様に、空中を飛びながら横断歩道の上空をを渡っていく。
驚いた人々は追いかけようとするが、スマホは振り返るように画面を光らせながら、どこかへ誘う。

やがてそれらは、公園に集まり円を描くように並んだ。
中央で一台が淡く光り、静かな音を奏でる。すると周囲のスマホも共鳴し、まるで会話を始めたかの様だ。
忙しさに追われ、視線を奪われ続けた日々から解放されたかのように。
人々は遠巻きにその様子を見つめ、手の中にあったはずの便利さが、一瞬にして手の届かない場所へ消えた不安を感じたが、同時に心が軽くなるのも感じた。

暫くして音は止み、スマホたちは静かに持ち主の元に戻って行く。何事もなかった様に手のひらに収まり、それを見つめ人々は少し安心したが、同時に前を見て注意し歩を進める事の重要さを思い出した。
ファンタジー
公開:26/04/19 15:07

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