夢本屋

2
3

私は店の本棚を本達に、貸している本屋です。
棚に空きが出来ると本が飛んで来て、いつも棚は一杯です。彼らは自分を見付けてくれる読者を待っているのです。時々風に頼みページをペラペラと捲らせ、手招きをしている本も有ります。

今朝料理人が来て本を手にしました。本は嬉しそうに早く読んで欲しいと願いました。
私はその料理人に本を渡しながら、この本は必ず夜に読み続けて下さいね。

早速料理人は夜毎本を読んでは、朝からその料理を作り続けていき、店は大繁盛しました。
でも途中から本を読むのを止め、自分の腕が良いのだと驕ってしまいました。

いつのまにかその本は、夢本屋の本棚に戻っていました。

料理人の店の客が少なくなり、彼はあの本を夜に読もうとしましたが有りません。
慌てて夢本屋に駆けつけ、棚を必死に捜しましたが、見つかりません。

私は若い青年があの本を見付け、持って帰りましたよと彼に告げました。
ファンタジー
公開:26/04/10 11:16

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容