猫。それは恋文。

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 こんな時代に手紙を書いている。
 気持ちを伝えるには非効率かもしれない。
 でもあの人には一番効果的……たぶん。
 僕はとにかく筆を走らせた。
「かけた!」
 丁寧に手紙を折る。封筒に入れる。
 すると、手紙は姿を変えて猫になった。尻尾が2本ある猫だ。
 猫は窓から飛び出して、彼女の元へ。

 窓が叩かれる音がする。見るとそこには猫がいた。尻尾が2本ある猫だ。
「あら。妖怪の長である私に、式神を飛ばすなんてどこのお馬鹿さん……あら?」
 猫は尻尾でハートの形を作って見せた。
 私は警戒を解いて、その猫——手紙を受け取った。
 中身は拙い字で綴られた、たったの一言。
『すきです』
 こんな手紙をもらえるのは、きっと私だけだ。ゆえに大変喜ばしいけれど、
「これじゃあどこの誰だかわからないわね」
 明日、妖怪たちに頼んで探してもらおう。
 この間抜けな陰陽師さんを。
ファンタジー
公開:26/04/16 22:38

猫目ちゅん

のんびり屋さんです。優しいお話が好きです。読んでくださる方が、一瞬でも癒されたらいいなと思いながら書いています。癒し系小説家になりたい。サムネのイラストも描いています。

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