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近ごろ王都では、
「筆写使い魔育成講習」が
無料で開かれておりました。
講習を受ける者は、
木の名札を預け、
夜ごと師から命じ札を受け取ります。
タカシは初日から札を振って、
「これ、客寄せ文まで書けるんだろ?」
と目を輝かせました。
セウゴは預け棚を見て、
「……名まで置いていくのか」
とだけ申しました。
少し後ろで修了札を眺めていたワイゴが、
「売れれば、型は問われません」
と静かに申しました。
月の終わり、
市へ出た使い魔の文は、
詫びの書き出しにも、
勧めの結びにも、
同じところで一度だけ
いたわりの句を差しはさむようになっておりました。
古い書記は、
返却棚の名札が
ひとつも戻らぬのを
黙って見ておりました。
修了札の裏には、
小さくこうありました。
――基礎筆致は、宗主式を継承する。
「筆写使い魔育成講習」が
無料で開かれておりました。
講習を受ける者は、
木の名札を預け、
夜ごと師から命じ札を受け取ります。
タカシは初日から札を振って、
「これ、客寄せ文まで書けるんだろ?」
と目を輝かせました。
セウゴは預け棚を見て、
「……名まで置いていくのか」
とだけ申しました。
少し後ろで修了札を眺めていたワイゴが、
「売れれば、型は問われません」
と静かに申しました。
月の終わり、
市へ出た使い魔の文は、
詫びの書き出しにも、
勧めの結びにも、
同じところで一度だけ
いたわりの句を差しはさむようになっておりました。
古い書記は、
返却棚の名札が
ひとつも戻らぬのを
黙って見ておりました。
修了札の裏には、
小さくこうありました。
――基礎筆致は、宗主式を継承する。
ファンタジー
公開:26/04/19 18:00
更新:26/04/17 05:56
更新:26/04/17 05:56
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