無知歓迎会

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王都では月に一度、
新しい術具に触れたことのない者だけを集める
「無知歓迎会」が開かれておりました。

使い方のわからぬ者、
何を聞けばよいかもわからぬ者ほど、
前の席へ通されました。

タカシはすぐ手を挙げました。
「じゃあ、何から聞いてもいいんだな」

案内役はやさしくうなずき、
「わからぬのは、よいことです。
思い込みがないぶん、
まっすぐ学べますから」
と申しました。

セウゴは配られた問札を一度伏せ、
眉だけ少し寄せました。

少し後ろで札の縁をなぞっていたワイゴが、
薄く笑って申しました。
「いい場ですね。
まだ決められぬ者が、
自然に残ります」

夜半までに、
閉じたままだった問札は
ひとつ残らず伏せられました。

帰るころには、
誰の前にも同じ申込札が
置かれておりました。

札の裏には、
小さな字でこう添えてありました。

――不明点は、参加意思ありと見なす。
ファンタジー
公開:26/04/18 21:00
更新:26/04/16 05:21

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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