さよならおばあちゃん

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鎌をギュッと握る。
おばあちゃんの唯一の形見。
本当は思い出の詰まったものを、いっぱい持ってきたかった。

一緒に街へ出かけた時に買った、お揃いのアクセサリー。
おばあちゃん、私には若すぎるから…なんて言ってたけど、1人でいる時にこっそり着けてたこと、私は知ってる。

あ、私の入学祝いに買ってくれたワンピースとかだったら、着てこれたかな。
おばあちゃんの前では喜んでみせたけど…趣味じゃないからって、あんまり着なかった。今さらだけど、もっと着ておけばよかった。

じわ、と視界がゆがむ。
だめだ。今は感傷に浸ってる場合じゃない。
もう一度、鎌をギュッと握りなおす。

私の知る限り、この世界は終わってしまった。
スマホは充電切れだし、正常な人間もいない。だから他がどうなってるかは知りようがないけど。
有り体に言うと、ゾンビパニック。

鎌を振りかぶり、力強く振り下ろす。
ごめんね、おばあちゃん。
ホラー
公開:26/04/15 15:44
更新:26/04/15 15:52

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