運命の事故

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「異常ありませんね」
目の前に座る医師は、ふぅ、とため息交じりにそう言った。
「今朝、登校中にぶつかったということですが…念のため湿布は貼っておきましょう。また何か痛みなど出るようであればいらして下さい」
お大事に、と言われ帰される。
僕は憮然としつつも、遅刻にはなってしまったがそのまま学校へ向かう。

学校へ着くと、僕が来たことに気づいた友達が声をかけてくる。彼にはすでに朝にあった出来事を連絡していた。
「おいおい、遅刻じゃん」
ニヤニヤしている。こっちは大変な目に遭ったのに…。
全身に衝撃を受けたんだと説明するも、「はいはい、さっき聞いたよ」と軽く流されてしまう。
「それより今日、転校生が来たんだよ。すっげぇ美少女。ほら、噂をすれば」
彼が僕の後ろを指さす。ムッとしつつも僕はそちらを向いた。

「…異常ありませんね」
目の前に座る医師は、今朝と同じことを言った。
青春
公開:26/04/14 09:21

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