またいつか

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 お天道さまの優しい声と、柔らかな光に一番に気付いたのは、白い小さな鳥でした。
 ああ、今日がその日だ、と悟った小鳥は、喜び一杯に羽ばたいて、山から谷へ、野から里へ、可憐な声でそれを皆に知らせます。
 ふわり、浮き上がるような、小暖かさに、
 こころ、舞い上がりながら、小躍りしつつ。
 道端の影の中では、土くれと混ざった名残の白が、その様子を見ていました。
 「どうやら、私の役割はもう、終わったようです」
 その袂には、小さな緑。
 見上げる空から、陽光は降り注ぎました。
 それは凍り付いた全てを溶かし。
 冬の空から訪れた雪は、春の空へと帰って行きます。
 若葉は風と共に手を振って、それを見送りました。
 寂しくはありません。
 ━━━いつか、僕達が大地へと還る頃。
 あなた達は、また会いに来てくれると、知っているから。
ファンタジー
公開:26/04/12 23:08

鹿野 秋乃

毒にも薬にもならないお話ばかりです。

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