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むかしむかし、
祝いの席でも弔いの席でも、
つい余計なことを言う男がおりました。
悪気はないのに場を白けさせるので、
村では
「黙っていれば、まだましだ」
とまで言われておりました。
そこへ黒い羽織の男が現れ、
小さな丸薬をひと箱売りました。
飲めばいらぬ言葉が
喉で止まるのだといいます。
村人にも勧められ、
男は薬を飲みはじめました。
たしかによく効きました。
飲むたび、
舌に甘みだけが残りました。
やがて
「落ち着いた」
「思慮深くなった」
と評判までよくなりました。
その年の夏、
男はいちばん先に
納屋の火に気づきました。
けれど声は、
喉のところで
止まったままでした。
火は屋根へ移り、
納屋はすっかり焼けました。
村ではそのあと、
あの薬を
「よく効く」と呼ぶようになりました。
祝いの席でも弔いの席でも、
つい余計なことを言う男がおりました。
悪気はないのに場を白けさせるので、
村では
「黙っていれば、まだましだ」
とまで言われておりました。
そこへ黒い羽織の男が現れ、
小さな丸薬をひと箱売りました。
飲めばいらぬ言葉が
喉で止まるのだといいます。
村人にも勧められ、
男は薬を飲みはじめました。
たしかによく効きました。
飲むたび、
舌に甘みだけが残りました。
やがて
「落ち着いた」
「思慮深くなった」
と評判までよくなりました。
その年の夏、
男はいちばん先に
納屋の火に気づきました。
けれど声は、
喉のところで
止まったままでした。
火は屋根へ移り、
納屋はすっかり焼けました。
村ではそのあと、
あの薬を
「よく効く」と呼ぶようになりました。
ファンタジー
公開:26/04/11 12:00
更新:26/04/10 12:38
更新:26/04/10 12:38
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