シチュエーション:コンビニ

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暦が進んでいく
さみしい夜が短くなったことに安堵している

つい一ヶ月ほど前は
気を抜くと雪が寒さとともに気持ちを深く閉じ込めたり
といったこともあったけれど
もうそこまでのことにはならないはず

四月は苦手だ、とキミが言って
僕が理由を聞かないからキミは言わなくて

あたたかくなったよろこびと花粉症の疲れと
新たな出会いへの期待と
期待どおりにならないもどかしさと

―コロッケ買ってあげるからさ、そんなこと言わないで

僕が言うとキミはもうすっかり上機嫌で

―アイスもたべたいな

なんて、そんなことを

―まだ、はやいんじゃない

―先取りだよ

春の淡い光が、アイスを見つめるキミの後ろ姿に眩しい

振り返ったキミは、幼い子どものようで
僕は笑いをこらえながら見つめるしかなくなる




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その他
公開:26/04/03 04:58

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