0
1

カレンダーをめくる指が軽く感じられる春四月。
まだ少し空気は冷たいけれど、朝の光にまじる色は、
昨日までとは、どこか違っていて。

―やっとはじまるね

思わずついたそんなひとり言に、今日の風はやさしいけれど、
街は、まだ半分、青みがかっている。

埋もれたままの景色は、春先の眠気からさめないご様子。

春物のコートに袖を通す、おそらく最後の日。
手放すべきものを脱ぎ去ってしまえば、
季節は確実に動いていく。

踏み出すことの怖さ。
進んでいくことの楽しさ。

今日が、何かのはじまりになればいい。
忘れていくための春を、今日からはじめる。












.
その他
公開:26/04/01 04:51

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容