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被写体を失った画家のキャンバスのように白い箱の中にいた。どうしてここにいるんだろうか。足を前に出すとクレヨンを蹴った。私がそれを拾い上げると私の中で「描け」と叫ぶ声がする。それから気づくと黄色い窓を描いていた。すると窓から日が差してきて、箱はやわく照らされた。次に赤い時計を描いた。すると秒針の音が鳴りだした。思い出したみたいにカーテンを揺らしはじめた風が私の肌を撫でた。ピンクの花を描いた。名前の知らないその花は優しく懐かしい匂いがした。紫のベッドを描いた。緑のクローゼット、グレーの机、オレンジの椅子、青いマット、、、。どのくらい描き続けていたのだろう。私はさっきまで真っ白だった箱を見渡す。虹のように綺麗で、しかしどこか見覚えのある空間だった。そこで私は気づく。これは私の部屋なのだ。私の心が今度は「行け」と叫んでいる。私は茶色いドアを描いて、このカラフルな部屋を後にした。
ファンタジー
公開:26/03/31 21:51
ぜひ仲良くしてください。
高校生です。ジャンルは純文学、詩、SFが多いと思います。
物書き自体を最近始めたばかりなので、いろいろ教えていただけると嬉しいです。
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消魚