月食
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月影に惑わされた人間達は、ある時代、月を砕いて高い高い塔を建てました。
見上げても頂は遥か遠く、それは、中心の恒星を目指してぐんぐん伸びてゆきます。
科学の成果も、技術の進歩も、憑かれたように全てを注ぎ込んだ真っ白な塔は、やがて完成の時を迎え、とうとう太陽をつついてしまいました。
今まで氷のように冷たかった塔は、途端、蝋のようにどろりと融けて、地表へみるみる流れ落ちます。
青い星から白い星へ。あっという間に月の波は、山も海も、砂漠も雪原も、裏まで余さず呑み尽くしてしまいました。
後に聞いたところによると。
満ちるのも欠けるのも、もう飽きた。たまには私が食べてみたい、と月は語ったそうです。
見上げても頂は遥か遠く、それは、中心の恒星を目指してぐんぐん伸びてゆきます。
科学の成果も、技術の進歩も、憑かれたように全てを注ぎ込んだ真っ白な塔は、やがて完成の時を迎え、とうとう太陽をつついてしまいました。
今まで氷のように冷たかった塔は、途端、蝋のようにどろりと融けて、地表へみるみる流れ落ちます。
青い星から白い星へ。あっという間に月の波は、山も海も、砂漠も雪原も、裏まで余さず呑み尽くしてしまいました。
後に聞いたところによると。
満ちるのも欠けるのも、もう飽きた。たまには私が食べてみたい、と月は語ったそうです。
SF
公開:26/04/03 21:32
毒にも薬にもならないお話ばかりです。
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