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年度末の残業は時に深夜まで及んだ。
20代だから疲れないだろう、なんて上席から言われたがとんでもない。疲労感は余裕で限界値を突破している。
うとうとしながら通りかかった公園。桜の花びらがドレスのような形に集まって、ワルツを踊っているのを目撃した。
頭上で満開になった桜をぼんやり眺め、ふたたび視線を戻したが、夢ではなく現実だった。
音楽はない。しかし重力と常識から解き放たれた彼女は、誰よりも自由でいきいきしている。街灯までが、ダンサーに熱い声援を送る観客の手拍子のように点滅している。
足を止めて見とれていると、ふいに彼女が手を差し出してきた。
思わぬ申し出だったが悪くない。俺は形のない花の精と心ゆくまで踊った。
どのくらい時間が経ったのか――ふと気づけば、ベンチにもたれかかっていた。
足元には大量の桜の花びら。
一枚拾い、手帳に挟むと、ひとときの魔法の余韻に酔いしれた。
20代だから疲れないだろう、なんて上席から言われたがとんでもない。疲労感は余裕で限界値を突破している。
うとうとしながら通りかかった公園。桜の花びらがドレスのような形に集まって、ワルツを踊っているのを目撃した。
頭上で満開になった桜をぼんやり眺め、ふたたび視線を戻したが、夢ではなく現実だった。
音楽はない。しかし重力と常識から解き放たれた彼女は、誰よりも自由でいきいきしている。街灯までが、ダンサーに熱い声援を送る観客の手拍子のように点滅している。
足を止めて見とれていると、ふいに彼女が手を差し出してきた。
思わぬ申し出だったが悪くない。俺は形のない花の精と心ゆくまで踊った。
どのくらい時間が経ったのか――ふと気づけば、ベンチにもたれかかっていた。
足元には大量の桜の花びら。
一枚拾い、手帳に挟むと、ひとときの魔法の余韻に酔いしれた。
その他
公開:26/03/29 18:35
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintやAIで作成しています。
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いちいおと