ヒートアイランド

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 テレビをつけた。天気予報が流れていた。「明日は詩集が降ります」窓から空を見ると確かに詩集雲が出ていた。もしかしたら今夜辺りから降り始めるかもしれない。その夜、外から、バサバサ、という音が聞こえてきた。カーテンを開ける。空から何十冊もの詩集が降ってきていた。サンダルで外に出て、何冊か拾い上げ、家の中に戻る。パラパラとその詩集をめくる。ろくでもない詩ばかりだ。すべてゴミ箱に捨てた。バサバサ。外から聞こえてくる音が激しくなってくる。本格的に降り始めたようだ。ため息をつく。良い詩が載った詩集が降っていたのはもう何十年も前の話になってしまった。地球環境問題はいよいよ深刻になってきたようだ。
ファンタジー
公開:26/03/22 22:42

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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