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大きな石がありました。昔からみちの真ん中にあって、たいそう邪魔でした。みちは歩きにくく、真っ暗な夜には石にぶつかる人もいました。石はとても重くてびくとも動かず、硬くて壊せません。穴を掘って埋めようとしましたが、掘っても掘っても石は深く続いています。みちの両側は深い森でみちを簡単には広げられません。人々は大きな石を避けてみちを歩く他はありませんでした。
それから何十年も経ちました。両側の森の木が切られてみちが広くなりました。人々は広くなったみちを歩きました。石はみちの真ん中にぽつんとありました。
また何十年も経ちました。地震や戦争があってみちは跡形もありません。さらに何十年も経つと立派なガラスの高層ビルが立ち並びました。大きな石は、いいえ、もう大きくありません、石はビル街の並木の陰にひっそりと頭を出しています。通りがかりのサラリーマンがときどき足をぶつけて、邪魔だな、と言われたりします。
それから何十年も経ちました。両側の森の木が切られてみちが広くなりました。人々は広くなったみちを歩きました。石はみちの真ん中にぽつんとありました。
また何十年も経ちました。地震や戦争があってみちは跡形もありません。さらに何十年も経つと立派なガラスの高層ビルが立ち並びました。大きな石は、いいえ、もう大きくありません、石はビル街の並木の陰にひっそりと頭を出しています。通りがかりのサラリーマンがときどき足をぶつけて、邪魔だな、と言われたりします。
その他
公開:26/03/25 11:45
2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。
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たちばな