L-O-V-E
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真冬の夜のコンビニである。レジ横でおでんの鍋が湯気を立てている。一人のお婆さんが店に入ってくる。見すぼらしいお婆さんだ。不安そうな表情を浮かべている。「いらっしゃいませ」若いバイト店員がお婆さんに気づき、無表情で言う。お婆さんはおでんの鍋の前に立つ。「あの、すみませんが……」お婆さんがそう店員に声をかけると、店員は無表情のまま、おでんの鍋にお玉を突っ込む。そして鍋の底から何かをすくい上げる。それは人間の頭蓋骨である。「うちの人はうまくやっていますでしょうか……」この頭蓋骨はお婆さんの亡夫の頭蓋骨だ。無表情だった店員はお婆さんに向かってにっこり微笑み、頷く。お婆さんは安心した表情を浮かべ、深々と頭を下げると、玉子と大根を買って、コンビニを出ていく。外では雪が降り始めた。
ホラー
公開:26/03/19 21:42
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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六井象