千鳥足の鴛鴦(おしどり)

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そのつがいは、千鳥足だった。
酒に酔っているわけではない。ただ、足元がおぼつかないのだ。

池のほとりを、つがいは並んで歩く。
片方がよろめくと、もう片方がそっと寄り添う。
寄り添われた方も、かすかに傾く。

かつて、この池はにぎやかだった。
水面にはいくつもの影が重なり、楽しげな声が絶えなかった。
そして、小さな雛が親のあとを追いかけていた。

やがて雛は巣立ち、仲間たちも去った。
今、ここにいるのは、このつがいだけだ。
それでもつがいは、歩みを止めない。
揺れながら寄り添い、同じ速さで進んでいく。

風に舞った葉が、ゆっくりと水面に落ちる。
その波紋のなかに、二つのの影が映る。

それは、杖をついた二人の姿だった。
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公開:26/03/19 20:10
更新:26/03/19 20:12

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

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