6
2
「余談だけどさぁ、桃太郎ってホントは鬼全員倒してないんだぜ? あいつ天然の人たらしだろ? 鬼ヶ島着いた途端に鬼懐柔しちまったわけ」
わたしの肩に住み着いた『余話虫』は今日も勝手にべらべら喋り始める。風邪を引いて弱っていたら、いつの間にかくっついていたのだ。見た目はウニ。なにげにゴツい。一日中うるさいし、早くどこか行ってほしい。わたしはゴホゴホ咳をしながらきいた。
「じゃあなんで倒したことになってるわけ?」
「仲間に唆されたんだよ。そうしたほうが爺さんと婆さんを喜ばせられるって」
「ほんとに?」
「俺が嘘つくわけねぇじゃん!」
余話虫は針をピンと張って立ち上がる。その瞬間を、わたしは待っていたのだ。
革手袋で彼をむんずと捕まえ、窓を開けると、高く遠くリリースした。これでやっと静かに寝られる⋯⋯と思った数秒後。
「余談だけどさぁ」と、今度は背中から声が聞こえた。
わたしの肩に住み着いた『余話虫』は今日も勝手にべらべら喋り始める。風邪を引いて弱っていたら、いつの間にかくっついていたのだ。見た目はウニ。なにげにゴツい。一日中うるさいし、早くどこか行ってほしい。わたしはゴホゴホ咳をしながらきいた。
「じゃあなんで倒したことになってるわけ?」
「仲間に唆されたんだよ。そうしたほうが爺さんと婆さんを喜ばせられるって」
「ほんとに?」
「俺が嘘つくわけねぇじゃん!」
余話虫は針をピンと張って立ち上がる。その瞬間を、わたしは待っていたのだ。
革手袋で彼をむんずと捕まえ、窓を開けると、高く遠くリリースした。これでやっと静かに寝られる⋯⋯と思った数秒後。
「余談だけどさぁ」と、今度は背中から声が聞こえた。
ファンタジー
公開:26/03/19 09:38
☆やコメントありがとうございます✨
作品のイラストはibisPaintやAIで作成しています。
ログインするとコメントを投稿できます
いちいおと