時間警察

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動画を見て一時間。ふいにスマートフォンから閃光が放たれ、気づけば制服の青年が向かい側に座っていた。彼は胸元のポケットから手帳を取り出して言った。
「私は時間警察のクロノだ。今日も時間を無駄にしたな?」
そう言えば数日前、休暇をだらだら過ごす癖をやめたくて、『時間警察』なるアプリを入れたのである。設定した時間が来て、取り締まりされることになったようだ。俺は観念して答えた。
「はい、認めます」
「よし、じゃあ今から掃除機をかけるんだな?」
掃除機の前に、服の山を片づけなくては床が見えない。
「ダルいな⋯⋯」
「今、何か言ったか?」
「い、いえ、何も!」
仕方なく山の頂上から服を畳み出す。監視の目はキツく、いっときの休憩も許されない。掃除機をかけ終わったのは深夜だった。
時間警察のクロノはもういない。俺はアプリをアンインストールして、動画の続きを見始めた。
ファンタジー
公開:26/03/22 13:47

いちいおと

☆やコメントありがとうございます✨

作品のイラストはibisPaintやAIで作成しています。

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