アウト・ライド
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月下の川、腕のかすれた美女が座るボートが進む。漕ぐのは、その「かすれた手」。動けない私は屋敷へ連行され、巨大な広間でステーキを頬張る主人と対峙した。
長い髪の彼女は、紫煙を吐き出し私を射抜く。
「いつまで、そうしているつもり?」
「それ、自分やったんでしょ?」
言葉を失う私に、彼女は静かに続ける。
「この三十年、何をしてきたの? “被害者でいるのって、すごく気持ちいい”って、あんたは気づいちゃった。だから自分で動けないようにして……。そしてまた、誰かが救ってくれるのを待ってるの?」
その言葉が、胸に届く。
「神風なんて、もう吹かないかもしれないわよ?」
私は、その場で固まってしまった。自分の足元をただ確かめることしかできなかった。
長い髪の彼女は、紫煙を吐き出し私を射抜く。
「いつまで、そうしているつもり?」
「それ、自分やったんでしょ?」
言葉を失う私に、彼女は静かに続ける。
「この三十年、何をしてきたの? “被害者でいるのって、すごく気持ちいい”って、あんたは気づいちゃった。だから自分で動けないようにして……。そしてまた、誰かが救ってくれるのを待ってるの?」
その言葉が、胸に届く。
「神風なんて、もう吹かないかもしれないわよ?」
私は、その場で固まってしまった。自分の足元をただ確かめることしかできなかった。
ファンタジー
公開:26/03/20 20:26
1989年長野県工業高校・工業大学で電気電子工学を学び設備系の会社へ就職。2019年諸事情により退職しました。以後物語を書いています。物語を通じて「自分」を振り返り見つめなおすこと。それは「答えは常に自分の足元にある」ということでもあります。「こんなのあったらおもしろそうだな」って世界を描きたいです。 【X】https://x.com/kazunari_UN【Instagram】https://www.instagram.com/kazunari.matsushita/【note】https://note.com/matsu_ine_zu
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松下一成