ラン

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私は今走っている。レースの最中なのだ。
しかし、これがなんのレースで、ここがどこなのかすら分からない。
いつスタートしたのかも分からない。
そしてゴールも分からないが、進んでいる方向があっているのだろうということだけは分かる。

道は湿っていて、生温く暖かい、気味の悪い感じだ。

周りには同じような人が何億といて、私と同じように走っている。
そして、皆が「1番でゴールしなければ死ぬ」と直感している。
誰に教えられた訳でもないが、本能で感じるのだ。

ずっと走っていると、道が二手に別れた。きっと、どちらかは行き止まりなのだろう。外せば死だ。私は右を選んだ。

かなり走った。もう、ゴールが見えてもいいだろう。そう思った時、見えた!
卵だ!卵子がいる!そうか、これがゴールで、私達の目標だったのか!

無事1位通過することの出来た私は、産まれた。何億という兄弟に別れを告げて。
その他
公開:26/03/15 22:57

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