有効成分

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 失恋して泣きながら歩いていたら、小さな薬局があった。汚いガラス戸の向こうに薄暗い店内が見える。そのガラス戸に、紙が貼られていた。『失恋に効く薬あります』思わずガラス戸を開けた。店の奥に爺さんがいた。「失恋に効く薬ください」爺さんは黙って一包の粉薬を差し出してきた。何か見たことのある色をしていた。「ここで飲んでいきます」爺さんはコップに水を汲んで差し出してきた。金を払いその薬を飲む。胸がすーっと軽くなった。「ありがとうございました」コップを返し、尋ねた。「この薬の主成分は何ですか?」爺さんは店のさらに奥を指さした。そこには婆さんがいて、紙幣をひたすらシュレッダーにかけていた。
ホラー
公開:26/03/15 09:38

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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