電気花粉

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[この国の大半の人がお尻から緑の線を引きずっている理由を、掛け合いで解説してください]
「半世紀前、時の政府が、杉やヒノキの花粉に国民の八割が苦しんでいる現状を解消しようと、山林の全てをメガソーラー発電所にしました」
「で、成果はどうだったんですか?」
「半分は成功したといえます」
「まず、成功した方から教えてください」
「発電の際に輸入燃料に頼っている火力発電を減らせたことです」
「とすると、成功しなかったのは?」
「花粉症は全く減らなかったことです」
「え? でも、杉やヒノキはほとんど伐採したんですよね。なのになぜ?」
「花粉は山林土壌に記憶のように蓄えられていて、同じ場所で生成される電気に混じり供給され続けたからです」
「ああ、それで電気花粉、というわけですね」
「はい。だから国民の八割が、電気を逃がすためにアース線をつけるのです」
「なるほど。よくわかりました」
[なわけあるかい]
SF
公開:26/03/14 18:49

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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