願いがかなう粘土

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ある発明家が、ものすごい発明を成しとげた。発明家はこのために人生を捧げ、貧しい生活を続けていたのだ。

発明したのは、なんでも願いが叶うねんどであった。


発明家はさっそく、ねんどを試しに出かけた。通りすがりのサラリーマンに、なにか願ってもらうことにした。

サラリーマンは、ためしに億万長者になりたいと願って、ねんどをこねてみた。すると、空からたくさんの札束がふってきた。
彼は、ねんどは本物だとすっかり信じ、願いどおり億万長者となる。
しかし発明家は、これでも信じきれなかった。


その後日、まだねんどを試す発明家のもとに、サラリーマンが怒鳴りこんできた。サラリーマンは無一文になっていて、インチキだと怒りだす。

そこで発明家は、ようやくねんどが本物だと確信する。


ねんどは、なんの苦労もせず大金を手にした奴なんか不幸になってしまえ、と思った発明家の嫉妬を、しっかり叶えていたのだ。
SF
公開:26/03/21 12:36
更新:26/03/11 12:36

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